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  インドネシア研究断章

             在野研究者からのメッセージ



 

  自著紹介


著書(単著)
書名をクリックすると各著書の要約(PDF)にリンクします。

  ミネルヴァ書房 382頁 1993年12月。

  日本評論社 308頁 2001年12月。

  北海道大学出版会 313頁 2002年12月。

  有斐閣 324頁 2003年5月。

  北海道大学出版会 184頁 2009年4月。


最新論文(要約)
※「インドネシア社会経済史研究の再検討ー日本における近世史〜現代史研究ー」『亜細亜大学アジア研究所紀要』第44号、2018年3月。
インドネシア社会経済史の研究動向について、筆者はすでに以前の著作と数編の論文で検討しているが、それらは主に1990年代までの研究成果が対象であった。そこで本論文では2000年以降(2016年まで)に出版された著作のうち、各研究者の体系的業績である単著を主な検討対象とした。取り上げた研究領域は、@近世・近代社会経済史研究、A資本主義発展史研究、B日本・インドネシア関係史研究、C都市社会経済史研究、Dイスラーム社会史研究、E華人社会史研究、Fスハルト期〜ポスト・スハルト期の現代政治経済研究、G農業・農村社会研究、である。
検討課題を列挙すれば、歴史研究の方法においては、オリエンタリズム批判の方法態度をいかに堅持するのかが問われており、それは地方社会史研究、都市史研究、農村史研究等においても同様であろう。各時代における支配者の論理に基づく在来社会の再編成の特質の解明はもとより、支配のあり方が在来社会の特性によってどのように逆規定されているのかも重視すべき視点である。また被支配者側の主体的な対応(固有の発展的契機)の歴史を各地方の特殊性に留意して解明する視点も重要である。支配と被支配の相関の中で、歴史の個性と総体を捉える方法態度である。 また現代研究で特筆すべき個別課題は、国家権力の性格を巡る連続性と断絶性、国家と地域(主義)の関係性(その変容如何)、国民統合と多民族性の相克、都市と農村の社会構成の変容、市民社会の成熟度と開発のあり方、国際的な地域主義(ASEAN共同体等)と国家の統合戦略の内実、などが挙げられる。

※「アジア日系企業の労働市場ー韓国・中国・インドネシア」宮本謙介(編)『アジアにおける労働市場の現局面』(亜細亜大学アジア研究所・アジア研究シリーズ No.103)所収、2020年3月。
本論文は、韓国・中国・インドネシアの日系企業(製造業)を比較研究の事例として、2000年代以降のアジア日系企業の労働市場の特徴とその変容の一端を捉えている。
韓国日系企業では、親会社のアジア戦略の変更に応じて韓国の位置付けが変化し、それに対応して雇用戦略・人事戦略も変容していること、中国(大連)の日系企業は、先行研究に見られる広東省や上海市の日系企業とは異なり、地方都市の労働市場に適合して労働力を需要していること、インドネシアのバタム島では、シンガポール主導の開発の下で特異な労働力管理が行われていること、これらの諸点が明らかとなっており、各国・各地域における経済発展や社会システムのあり方に規定されて、労働市場の展開も多様であることが示されている。
また、3つの事例にみられる労働市場の共通点として、学歴階層性に規定された内部労働市場の分節的編成、生産職労働者(とくに非正規職)の不安定就業、正規職労働者の厚遇・能力主義管理等に見られる日本的経営・生産システムの変容=適応、などを指摘している。

既発表論文(著書に未収録の主要論文)
論文タイトルをクリックするとPDFにリンクします。
『一橋論叢』89(5)、1983年5月。
『歴史学研究』687、1996年8月。
『社会経済史学』65(6)、2000年3月。
『經濟學研究』(北海道大学) 53(3)、2003年12月。
『地域経済経営ネットワーク研究年報センター年報』(北海道大学) 1、2012年3月。
 亜細亜大学アジア研究所・アジア研究シリーズ No.103、2020年3月。


書評(注目すべき諸外国の研究書について既発表の書評)
タイトルをクリックするとPDFにリンクします。
『アジア経済』36(4)、1995年4月。
『アジア経済』37(12)、1996年12月。
『アジア経済』40(1)、1999年1月。


 
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